BIOACCEL

2024/05/01 18:23


骨の健康


骨を健康にすると聞いて、どのようなことが思い浮かびますか?おそらく多くの人が牛乳を飲むといったカルシウムをとることをイメージされるのではないでしょうか。骨はカルシウムの貯蔵庫のようなもので、体内のカルシウムは99%程が骨に蓄えられています。残りの1%程は血液中に含まれており、全身の機能を正常に保つという重要な役割を担っています。体に必要な血液中のカルシウムが不足すると、骨からカルシウムを引き出してその不足分を補う構造になっています。その結果、骨のカルシウム量が減ってしまい、骨密度の減少につながる=骨が脆くなる・骨折しやすくなるといわれています。介護が必要となった主な原因の上位3位に骨折・転倒が入っていることはご存じでしょうか。(2019国民生活基礎調査より)また、近年は高齢者だけではなく、子どもたちにも骨折が増えています。骨折は身体だけでなく生活の質(QOL)にも影響を与えることになります。骨を健康に保つことで、骨折しにくい体づくりを心がけましょう。
【予防】
血液中のカルシウムが不足しないためにも、食事からカルシウムをきちんととることが大切なポイントです。日本人の食事摂取基準(2020年版)で提示されている成人1人1日当たりのカルシウム推奨量は、男性で700mgから800mg、女性で600mgから650mgといわれています。しかし、私たち日本人のカルシウム摂取量は推奨量に比べ少ないことが分かっています。(令和元年国民健康栄養調査より)調査結果から、ほとんどの年代で1日当たり約200mgが不足していることがわかりました。200mgほどのカルシウムがとれる食品の目安
牛乳200ml
ヨーグルト200g
高野豆腐2個
厚揚げ100g
小松菜150g
※200mgがピッタリとれる量ではありません。
カルシウムを多く含む食品のなかで、乳製品の吸収率が高く効率的にとることができておすすめです。ほかにも大豆製品や小魚・海藻類、野菜にもカルシウムは含まれています。例えば、普段から3食バランスよく食べていれば、牛乳1杯をプラスすることでカルシウムが十分とれると思われます。そのまま飲むのが苦手な方は料理に入れても良いですね。カルシウム以外に骨の健康にプラスとなる栄養素にビタミンDがあります。ビタミンDは魚介類や干しシイタケに多く含まれます。食品以外に、太陽の光を浴びることで体内にあるビタミンDを活性化することができます。反対に、カルシウムの吸収を妨げる栄養素として、リンと食塩があげられます。リンと食塩をとりすぎると、尿中へカルシウムが排出されやすくなります。特に食塩は日本人がとりすぎている栄養素の一つなので、減塩を意識することが大切です。リンは主にインスタント食品やスナック菓子などに多く含まれています。骨は破壊と再生を繰り返して常に生まれ変わっています。栄養のみならず、運動という刺激が骨を強くすることも知られています。特にジャンプやかかとの上げ下ろしなどの刺激が効果的であるといわれています。かかとの上げ下ろしは歯磨き中のながら運動におすすめです。骨の健康を保って、いつまでも元気に動ける身体でいたいものですね。骨密度のピークは20~30代であり、加齢や女性ホルモンの減少などにより、骨密度は徐々に減っていきます。骨粗しょう症は骨の生活習慣病といわれることもあります。いつまでも健康な骨を保てるように、食事や運動を振り返ってみましょう。

記事監修
管理栄養士 河原崎裕香 

Mail Magazine

新商品やキャンペーンなどの最新情報をお届けいたします。